社会保険に加入されていない事業主様へ

社会保険(厚生年金、健康保険)に加入されていない事業主様へ

社会保険(厚生年金、健康保険)に加入されていない事業主様へ

ご存知のように、全ての法人事業所と従業員5人以上の個人事業所(農林水産業やサービス業の一部を除く)は、法律上、社会保険に加入をしなければいけません。
すでに年金事務所から社会保険の加入勧奨を受けている事業所はもちろん、まだ加入勧奨を受けていない事業所も、加入の準備をしておく必要があるでしょう。
年金事務所は、年々、加入への取り組みを強化していますので、加入勧奨を受けていない事業所が加入勧奨を受けるのも時間の問題です。

事業主様の率直な気持ち

事業主様には「入りたくても入れない」事情があるのも十分に承知しています。
私が年金事務所で勤務をしていた時に、加入指導をしていて一番多かった理由はやはり「金銭面」でした。「(社会保険に)入れるものなら入ってるよ」、「(社会保険に)加入したら倒産しちゃうよ」、「会社がつぶれたら元も子もないだろ」という言葉は本当によく事業主様から言われました。それでも私が法律上、加入をしなければいけないこと、場合によっては強制加入になることを説明すると、「ヤクザよりもひどいな。ヤクザでもそこまではしないよ」と言われたこともあります。
逆に、事業主様は加入に反対はしないが、従業員が加入に反対しているために入れないというケースもありました。これは、社会保険に加入をすると従業員の手取りが減り、生活が厳しくなるから(生活の質を落とせないから)ということです。

今でも忘れられないケース

今でも忘れられないケースの一つでこんなことがありました。
以前は親子で経営されていた個人事業所が、事業主であるお父様が跡継ぎである息子様の将来の為に事業を大きくしようと新しい機械を導入し、それを機に事業所を個人から法人に変更しました。ただ、事業主様は個人から法人に変更した場合、社会保険に加入をしなければいけないことは知らず、導入した新しい機械の月々の返済金額を高めに設定していたのです。税理士さんからも法人事業所に変更した場合、社会保険に加入をしなければいけないという説明は無かったそうです。
その事業主様に私が初めてお会いして、社会保険の加入のお願いをしたときに、事業主様からは「もうこれ以上(社会保険料を)払う余裕はない。加入は絶対無理」と言われました。その後何度か事業所を訪問しお話をさせていただきましたが、やはり話は平行線のままでした。
ある日、私は事業主様に「〇月〇日までに加入の手続きをしていただけない場合は、強制加入の手続きをさせていただきます」と告げました。すると事業主様から「だったら会社を辞める。息子に借金を残したくない」と言われました。この言葉を聞いた時、私はとても辛かったです。それでも立場上、「それなら(社会保険に)加入しなくてもいいですよ」とは言えません。その日はこれ以上、進展がありませんでした。
しばらくして、もちろん強制加入の期限日前ですが、事業主様から連絡がありました。「(社会保険に)加入します。機械の返済が終わるまでは大変だけど、何とか頑張って(会社を)続けることにしました」という内容のものでした。私はとても嬉しかったです。そして安心しました。その安心というのは、おそらく一つの事業所を廃業させずに済んでよかった、というものだと思います。
このように、事業主様が事業所を個人から法人に変更した場合、社会保険に加入をしなければいけないということを知らなかったケースは意外と多くあります。

副業で法人事業所を立ち上げた事業主様は気を付けて下さい

副業で法人事業所を立ち上げた事業主様は気を付けて下さい

最近、法人事業所を立ち上げるのがとても簡単になったためだと思いますが、事業所所在地を訪問すると、そこはマンションやアパートの一室で、ポストやドアのどこにも事業所名が無い法人事業所が増えています。インターホンを押してもほとんど応答はありません。たまにお会いできる事業主様もいらっしゃいますが、尋ねてみると、「報酬はありません」、「ただ(会社を)作っただけで、事業は稼働していません」などの回答ばかりです。おそらく副業で税金対策のために法人事業所を作ったのだと思います。
気を付けていただきたいのは、本業の勤務先である会社の方で社会保険に加入をしていれば副業の方では入らなくてもいい、と思っている事業主様です。結論を申しますと、副業の法人事業所も社会保険の加入の手続きが必要です。そして、その情報が本業の勤務先である会社に伝わります。もし本業の勤務先である会社が就業規則で副業を禁止していれば、違反になる可能性があります。

年金事務所対策はお早めに

年金事務所に勤務していた頃は、事業主様の事情に関係なく、「仕事」として社会保険への加入指導を行っていました。
しかし、これからは社会保険労務士として、もし私に相談の依頼をしていただければ、事業主様の会社がこれからも事業を「継続」していくにはどうしたらいいのか、を最重要課題として一緒に考えていきたいと思います。
社会保険への加入の話が年金事務所側のペースで進まないように、つまり、事業主様の事情や意見を十分に尊重させるためには、年金事務所から社会保険の加入勧奨を受ける前に、もうすでに社会保険の加入勧奨を受けている事業主様はなおさら、一日でも早く対策を講じておくことをお勧めします。
今までは「報酬はありません」などの回答で何とか加入逃れが出来ていた事業主様も、マイナンバー制度によりその方法は通用しなくなりますので気を付けて下さい。
社会保険に「加入をさせる立場に居た者」だからこそできるアドバイスがあるかもしれません。

ご相談は東京以外の事業主様からも承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

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  • アポイントメントの無い突然のご来所はご遠慮下さい。
  • 年金事務所から社会保険の加入勧奨を受けて困っている事業主様、又は、まだ加入勧奨は受けていないけど社会保険加入の事で悩んでいる事業主様で社会保険の加入に関するご相談事でしたら、初回に限り相談料を無料とさせていただきます。
  • 助成金のことでしたら、こちらのホームページをご覧下さい。 助成金・人事労務.com