・厚生年金保険などの加入の届出を行っていない事業所への取組み(適用調査対象事業所対策)
社会保険(厚生年金、健康保険)に加入をしていない事業所への指導が、これからますます厳しくなっていきます。
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国税庁が保有する企業情報を日本年金機構が利用することになると、「報酬はありません」が通用しなくなります。
・社会保険(厚生年金・健康保険)未加入・未納のリスクについて
この記事の最後に、「雇用するときは給与の額面だけでなく、社会保険料を含めた各種の会社の負担金も含めて判断する必要があります」とありますが、本当にその通りだと思います。
ただ、社会保険に加入をしていないある事業主様は「会社としては社会保険に入ってもいいんだけど、入ったらその分従業員の給料は減らすことになる。そうすると、従業員は社会保険に入っていなくて給料の高い所(会社)に行ってしまうんだよね」と話していました。
ライバル企業の中に「社会保険に入っていなくて給料の高い会社」が存在する限り、自分の会社だけを社会保険に加入させるのは「自殺行為」に等しく、難しいようです。
労働者の方が就職場所を選ぶときは、「給与の額」ではなく「社会保険完備」を重要視するようにならないと、社会保険未加入事業所問題はスムーズに解決しないのではないかと思います。
・建設業の社会保険未加入対策について(国土交通省)
社会保険未加入問題で、厚生労働省、年金事務所だけでなく、国土交通省からも圧力を受けている業界が建設業界です。特に下請け企業は大変です。社会保険に加入をしないと仕事が出来ないか、出来たとしても激減してしまう可能性があります。私が年金事務所に勤務していた時、ある社会保険未加入の建設業の事業主様と社会保険加入の件でお話をさせていただいたときは、本当に悩んでいました。主な原因は、事業主様自身は、もう社会保険に加入をしなければ仕事を続けていくことはできないということは理解していた様子でしたが、問題はどこから保険料を捻出するかと賃金の減少を従業員に理解してもらうことです。「元請は、社会保険料が負担になるからといって、その分、請負金額に上乗せはしてくれないと思う。それどころか、年々、元請からの請負金額の単価は減っているもん」とも話していました。将来の事を考えた時、労働者は社会保険に入っていないよりは入っていた方が良いと思います。あとは、今まで社会保険料を負担していなかった労働者が負担するようになった時、もちろん今までと同じ生活を送ることが出来ればそれが一番良いですが、現実問題として、それに伴う生活の質の低下を受け入れる覚悟が必要になってくると思います。